人の役に立つ」とは”利他”の事

今の若者の思考

今の20代30代の青年に聞くと「お金も欲しいけど、人の役に立ちたい」という人が多くなった。
その逆に、今「人の役に立っています!」と自信をもって答える人もいない。

40代より上の人には、少し理解し難い現象かもしれません。
そこで、「人の役に立つ」とは、一体どういうことなのか思考したいと思います。

言葉の意味

そもそも、”役”とは一体何を言っているのでしょうか?
辞書には”ヤク”と読む場合と”エキ”と読む場合で様々な解釈がありますが、「人の役」という意味で絞ると、以下の二つしか選択できません。

”役”(ヤク)の意味
1. 受け持ちの任務。役目。「仲裁の役を買って出る」
2. 組織の中で、責任のある地位・職務。「役に就く」

また”立つ”と言う意味も様々ですが、「役に立つ」と言う意味で絞ると、以下の一つしか選択できません。

”立つ”の意味
物事が好ましい形で成り立ったり維持されたりする。
1. 目的にかなって使用価値がある。「役に―・つ」

この事から「人の役」に「立つ」と言う意味で統合すると、以下の解釈に絞られます。

「人の役に立つ」の意味
人のため、組織の中で責任ある地位・職務に就き、目的にかなった価値を生む事。

”人の役に立つ仕事”とは?

「お金も欲しいけど、人の役に立ちたい」という青年の内、どのくらいの人が上記の意味を理解しているのでしょうか?
もしかしたら「人の役に立つ」仕事を、ただの職種として理解しているのかもしれません。

”人の役に立つ仕事”ととして、webで検索すると以下のような職種が出てきます。

1位 医者・看護師
2位 弁護士
3位 教師
4位 自衛隊
5位 ホワイトハッカー
6位 消防士
7位 社会福祉士
8位 国際協力NGO職員
9位 VR開発者
10位 民間企業のCSR担当者

「人の役に立つ」の意味が、人のため、組織の中で責任ある地位・職務に就き、目的にかなった価値を生む事。である事を理解していれば、職種に左右されるはずが無いと思うのですが…

いつの間にか”自分のため”

「人のために役に立つ」とは、つまり”利他”の事です。
「自分のために役に立つ」とは、”利己”の事です。

しかし、この二つは切っても切り離せない関係にあります。
詳しくは、「人は利己的なのか利他的なのか」の記事を参照してください。

悲しい現実ではありますが、私たち人間はこの様に出来ているといわざるを得ません。
つまり、「人のために役に立つ」=「自分のために役に立つ」なのです。

だから、「自己中心的利他」を見出さなければならないのです。
詳しくは、以下の記事を参照してください。


▶自己中心的利他
▶自己中心的利他と師道共育
▶自己中心的利他の株主