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警備会社の教育は一方通行でいいのか?――IMSが大切にする「共育」
警備会社にとって、教育は欠かすことのできない仕事です。
警備業法に基づく新任教育や現任教育はもちろん、配属先ごとの注意事項、誘導方法、接遇、苦情対応、事故や災害への備えなど、警備員が学ぶべきことは数多くあります。
ただ、教える人が前に立ち、教わる人が黙って聞いていれば、それだけで十分でしょうか。
株式会社IMSでは、一方的に教える「教育」だけではなく、**誰もが先生になり、生徒にもなる。共に学び、共に成長する「共育」**を大切な価値観として掲げています。
これは単なる言葉遊びではありません。
警備員を育てること、社員を育てること、そして将来の経営者を育てること。そのすべてに関わる考え方です。
警備の仕事には、教科書だけでは分からないことがある
法令、基本動作、合図の方法、安全確認など、最初に正しく教えなければならないことがあります。そこを曖昧にしてよいわけではありません。
一方で、実際の現場はすべて同じではありません。
道路の幅、車両の通行量、歩行者の動き、工事車両の出入り、近隣住民との関係、その日の工程。時間帯や天候が変わるだけでも、注意すべき点は変わります。
経験を積んだ警備員は、「この車は急に動くかもしれない」「この時間になると通学する子どもが増える」といった変化を早めに察知できます。これは、会社で説明を聞くだけでは身につきにくい力です。
だからこそ、ベテランが新人へ経験を伝えることには大きな意味があります。
しかし、学ぶのは新人だけではありません。
新人だからこそ気づく分かりにくさや、若い人財が得意とするデジタル機器の使い方、異業種で身につけた接遇や業務改善の知識もあります。長く働いている人が「これが普通だ」と思っていたことに、新しく入った人から疑問を投げかけられることもあります。
その疑問が、会社を良くするきっかけになるかもしれません。
役職が上だから、いつも先生とは限らない
警備会社では、指導教育責任者、管制、所長、経営者など、教える立場が明確に決まっている場面があります。
もちろん、それぞれの立場には責任があります。しかし、役職が上だから、現場のことを何でも知っているとは限りません。
管制は配置や顧客対応を知っています。警備員は現場の空気や、実際に困っていることを知っています。所長は営業所全体を見ていますが、新人がどこでつまずくかは、新人本人に聞かなければ分からないことがあります。
先生と生徒の役割は、固定されたものではありません。
ある場面ではベテランが先生になり、別の場面では新人から教わる。現場では警備員が先生になり、会社へ戻れば管制から学ぶ。経営者であっても、警備員や社員の言葉から学び続ける。
IMSが考える「共育」は、この関係を大切にすることです。
「共育」を現場の行動に変える
理念は、掲げているだけでは意味がありません。日々の仕事の中で、行動に変える必要があります。
例えば、次のような取組が考えられます。
1.現場が終わったら、一つだけ学びを残す
「今日は何もなかった」で終わらせず、うまくいったこと、危なかったこと、次に気をつけたいことを一つだけ共有します。
長い報告書を毎日書く必要はありません。短くても、経験を会社に残すことが大切です。
2.新人とベテランを、教える側と教わる側だけに分けない
新人は基本を学び、ベテランは経験を伝えます。同時に、ベテランも「説明して初めて、自分が感覚だけで行っていたこと」に気づきます。
教えるために言葉へ置き換えることは、ベテラン自身の再教育にもなります。
3.苦情や失敗を、犯人探しで終わらせない
苦情やヒヤリハットが起きたとき、誰が悪かったかだけを追及すると、次から報告されなくなります。
なぜその判断をしたのか。事前に何を共有していれば防げたのか。会社や現場責任者に改善できることはなかったのか。
個人の責任を曖昧にするのではなく、経験を組織の学びに変える視点が必要です。
4.資格を取った人が、次の人へ知識を返す
資格取得を本人だけの成果で終わらせず、勉強方法や試験で学んだことを周囲へ伝えてもらいます。
会社が資格取得を支援し、取得した人が会社へ知識を返し、その知識で次の人財が育つ。この循環ができれば、会社全体の力になります。
5.経営者も、社員に考えを説明する
新しい制度や業務改善を始めるとき、「会社で決めたから」だけでは理解されません。
なぜ変えるのか。どのような問題を解決したいのか。現場にどのような利点があるのか。経営者や管理者が説明し、現場から意見を聞く必要があります。
教えることと、聞くことは一組です。
「共育」は、教える責任を曖昧にする言葉ではない
誰もが先生になるといっても、正しい知識を持たない人に教育を任せればよい、という意味ではありません。
法令で定められた教育、会社として統一すべき基準、事故につながる重要事項については、責任者が正確に教え、理解できたかを確認する必要があります。
その土台の上で、現場の経験、気づき、工夫を互いに持ち寄るのが「共育」です。
一方的に教えないことと、会社が責任を放棄することはまったく違います。
むしろ、誰もが意見を出せる会社にするためには、経営者や管理者が学ぶ姿勢を見せる必要があります。
独立を目指す人にとって、人を育てる経験は経営の練習になる
警備業で独立を考えている人にとっても、「共育」は大切な考え方です。
社長になれば、自分の仕事ができるだけでは足りません。新人へ仕事を教え、社員の話を聞き、失敗の原因を整理し、次に同じことが起きない仕組みをつくらなければなりません。
そして、社長になると、正解を一から教えてくれる人は少なくなります。
だからこそ、社長になる前から、人に教える経験と、人から教わる姿勢の両方を身につけておく必要があります。
後輩に一つの動作を教える。分かるまで説明する。自分とは違う意見をいったん聞く。現場の失敗を次の手順へ変える。
こうした経験は、そのまま経営者になるための準備になります。
IMSグループでは、警備員として入社し、所長、取締役、グループ会社の社長へ進む道をつくってきました。役職が変わっても、学びが終わるわけではありません。むしろ、人を育てる立場になるほど、自分も学び続ける必要があります。
IMSグループではその昔、遅刻癖がなかなか治らない人がいました。そう、それは私です(笑)。今まさに部下にそれを伝えるときに、「共育」がいつも頭をよぎります。
人財が育つ会社は、会社も育っていく
教育は、知っている人が知らない人へ答えを渡すだけのものではありません。
教えることで自分の理解が深まり、教わることで新しい見方を知る。現場の経験が会社に残り、次の人財へ引き継がれていく。
その積み重ねが、警備品質を高め、事故を防ぎ、働き続けたいと思える会社につながります。
誰もが先生になり、生徒にもなる。
IMSは、立場や年齢にかかわらず、互いに教え、互いに学び、共に成長する「共育」を、これからも大切にしていきたいと考えています。