あなたが知らない「すごい会社」は、まだたくさんある――知名度に惑わされない仕事と業界の選び方

※タイトルについて最初に一言だけ、IMSが「すごい会社」と言ってるわけではありません(笑)

「いつかは独立したい」

そう考えていても、どの業界を選べばよいのか分からない人は少なくありません。

AI、IT、コンサルティング、飲食、フランチャイズ――世の中では、目立つ業界や成功者の話が注目されます。

しかし、会社の知名度と事業の強さは、必ずしも一致しません。

一般には名前をあまり知られていなくても、特定の分野で世界トップクラスのシェアを持ち、長年にわたって安定した利益を上げている企業が存在します。

独立する業界を探すときに大切なのは、流行しているかどうかではありません。

社会に必要とされ、長く仕事が続く仕組みがあるか。

まずは、この視点で会社や業界を見てみることが大切です。

名前を知らなくても、驚くほど強い会社がある

ここでは、一般消費者向けの知名度だけでは判断できない企業を紹介します。

なお、ここでいう「強い会社」とは、特定分野におけるシェア、収益性、技術力などの公開情報に注目した表現です。投資や就職を一律に推奨するものではありません。

オービック――売上高営業利益率が65%を超える企業

オービックは、企業向けの基幹業務システムなどを提供する会社です。

一般消費者が同社のサービスを直接目にする機会は、それほど多くありません。

しかし、2026年3月期の売上高は1,352億円、営業利益は888億円。売上高営業利益率は65.7%に達しています。

さらに、自己資本比率は83.4%、離職率は直近5年間の平均で4%、32期連続増益と公表されています。

私たちが普段目にする商品を販売していなくても、企業活動の根幹を支えることで、非常に高い収益力を生み出している一例です。

ナカニシ――歯科医療の小さな機器で世界トップシェア

ナカニシは、歯科医療用の回転機器などを製造する企業です。

歯科医院で使われている機器のため、一般の人が社名を意識する機会はほとんどないかもしれません。

しかし、歯科用回転機器の分野でグローバルNo.1シェアを持ち、世界140か国以上への販売実績があります。

完成品として目立たなくても、専門性を磨き、世界中で必要とされる機器を供給することで、強い事業を築くことができます。

朝日インテック――極細ワイヤーの技術を医療に生かす

朝日インテックは、もともと極細ステンレスワイヤーロープの製造から始まった会社です。

その技術を医療分野に展開し、現在は血管内治療に使用するガイドワイヤーなどを、世界120を超える国と地域へ供給しています。

主力製品のPCIガイドワイヤーでは、世界トップシェアを確立しています。

一見すると地味に見える技術でも、他社には簡単にまねできない強みに育てれば、世界市場で勝負できます。

ミネベアミツミ――身近な製品を内側から支える

ミネベアミツミは、ベアリングや精密部品、電子部品などを製造しています。

同社の公式サイトによると、外径22ミリ以下のミニチュア・小径ボールベアリングでは、世界シェア60%以上を占めています。

さらに、HDD用ピボットアッセンブリー、1直リチウムイオン電池用保護ICでも世界シェアNo.1としています。

社名を知らなくても、その会社の部品が入った製品を毎日使っている――社会には、そのような企業が数多くあります。

「目立たない強い会社」に共通すること

これらの企業には、いくつかの共通点があります。

  • 一般消費者からは見えにくい
  • 社会や企業活動に欠かせない
  • 専門性が高く、簡単には代替されない
  • 流行よりも、継続的な需要を重視している
  • 狭い分野でも、深く掘り下げることで強みを築いている

これは会社選びだけでなく、独立する業界を考える際にも重要な視点です。

「有名だから安心」「話題だから成長する」とは限りません。

むしろ、世間からあまり注目されていなくても、社会に必要とされ、経験を蓄積できる仕事にこそ、独立の機会が残されていることがあります。

独立する業界は「格好よさ」より構造で選ぶ

独立を考えるときは、業界のイメージだけでなく、事業の構造を確認する必要があります。

例えば、次のような点です。

  • 継続的な需要があるか
  • 地域ごとに仕事が存在するか
  • 大企業だけでなく中小企業にも仕事があるか
  • 経験や資格が強みになるか
  • 未経験からでも実務を学べるか
  • 現場経験を経営に結びつけられるか

こうして業界を見直すと、それまで関心のなかった仕事にも、思いがけない可能性が見えてきます。

警備業も、その一つです。

警備業も「目立たないが、なくならない仕事」

警備の仕事は、何も起きなかったときほど目立ちません。

しかし、工事現場、道路、商業施設、オフィス、病院、学校、イベント会場など、社会のさまざまな場所で必要とされています。

警察庁の「令和7年における警備業の概況」によると、2025年12月末時点で、全国には1万949社の警備会社があり、59万6,985人の警備員が働いています。

注目したいのは、警備員数100人未満の会社が全体の90.3%を占めていることです。

主たる営業所だけで運営する会社は84.2%、営業所数5以下の会社は97.4%となっています。

つまり、警備業界は一部の大企業だけで成り立っているわけではありません。

地域に根差した中小企業が、顧客や警備員との関係を築きながら、社会の安全を支えている業界です。

警察庁が公表した資料によると、全国警備業協会の調査に回答した5,210社の売上高合計は、約3兆5,057億円に達しています。

調査に回答していない会社もあるため、これは業界全体の正確な市場規模を示す数字ではありません。

それでも、警備業が社会を支える大きな産業であることは分かります。

警備業を知らない人にも、独立の選択肢になり得る理由

独立を考える人の多くは、「自分には特別な商品や技術がない」と悩みます。

警備業では、最初から革新的な商品を発明する必要はありません。

まず現場で経験を積み、安全管理、警備員の配置、顧客対応、教育、採用、労務管理、営業などを学ぶことができます。

例えば、次のような順序で経営に必要な力を身につけていくことが考えられます。

  1. 警備員として現場を知る
  2. 検定資格を取得する
  3. 現場責任者やリーダーを経験する
  4. 管制、教育、採用、顧客対応を学ぶ
  5. 営業所の運営や経営に関わる
  6. 十分な準備をしたうえで独立を目指す

交通誘導警備には資格制度があります。

都道府県公安委員会が指定した路線で交通誘導警備業務を行う場合は、業務を行う場所ごとに、交通誘導警備業務1級または2級の検定合格警備員を1人以上配置する必要があります。

経験と資格を積み重ねることが、仕事の幅や責任範囲の拡大につながる業界です。

もちろん、警備業での独立が「簡単」というわけではない

警備業は、会社を設立すればすぐに営業できる仕事ではありません。

公安委員会の認定、営業所の整備、警備員指導教育責任者の選任、警備員の教育、各種書類の作成・保管などが必要です。

また、顧客から警備料金が入金される前に、警備員へ給与を支払うための運転資金も欠かせません。

現場では重大な事故が起こる可能性があり、経営者には警備員の安全と生活を守る責任があります。

人手不足だから簡単に仕事が取れる、という話でもありません。

採用、定着、教育、顧客開拓を継続できなければ、会社を長く運営することはできません。

だからこそ、現場だけでなく、管制、教育、営業、労務、資金繰りまで経験してから独立することに意味があります。

全員に警備業を勧めたいわけではない

この記事で伝えたいのは、「独立したい人は全員、警備業を選ぶべきだ」ということではありません。

世の中には、一般には知られていなくても、社会に欠かせない会社や業界が数多くあります。

知名度や流行だけで判断せず、次のような点を調べてみてください。

  • その仕事は、誰のどのような困りごとを解決しているか
  • 景気や流行が変わっても需要が残るか
  • 経験や資格が将来の強みになるか
  • 地域の中小企業にも活躍する余地があるか
  • 現場から経営までを学べるか

その視点で調べると、これまで関心がなかった業界にも、思いがけない可能性が見つかります。

警備業も、その候補の一つです。

派手な仕事ではありません。

しかし、人と地域の安全を守り、現場経験を経営力へ変えていける仕事です。

「独立したいけれど、まだ業界を決めていない」

そんな方は、知名度だけで候補を絞らず、目立たないけれど、必要とされ続ける仕事にも、一度アンテナを向けてみてはいかがでしょうか。

IMSでは、警備業の現場を学び、将来は経営者として独立したい方との出会いを大切にしています。

すぐに応募を決めていなくても構いません。

まずは警備業界の実情や、経営者になるまでの道筋を知りたいという方も、ぜひお問い合わせください。

参考資料